2時間机に向かったのに、ふり返るとスマホを触っていた時間のほうが長かった。 集中がいつ切れたのか、自分でも分からないまま時間だけが過ぎていきます。 このページでは、タイマーを25分にして1つのことだけをし、鳴ったら途中でも止めて5分休み、4回くり返したら20分休むやり方を勧めます。

ひとことで

ポモドーロテクニックは、勉強や仕事を25分の作業と5分の休憩に区切り、4回くり返したら長めに休む時間の使い方です。 名前はイタリア語のトマトで、考案者が学生時代にトマト形のキッチンタイマーを使っていたことから来ています。

25分の作業と5分の休憩を4回くり返し、4回目の作業のあとに20分休むことを、時間の長さに合わせた帯で示す図
25分の作業と5分の休憩を4回、そのあと20分休む

なぜ効くか

集中は長く続かないので、落ちきる前に休めるからです。 そのうえ、「25分だけ」という区切りが始める重さを減らし、途中で止めることが次の回への入り口になります。

休まずに続けると集中は時間とともに下がり続けるが、25分ごとに休むと集中がそのつど戻ることを示す概念図
休みを挟むと、集中が落ちきる前に戻る(数値のない概念図)

集中は、休まずに続けるほど下がっていく

堀田秀吾・木島豪の『セルフコントロール大全』に出てくる研究では、画面に向かう作業を続けると30分ほどで集中が落ち始め、60分で疲れがはっきり表れました。 読書術の本で紹介されている調査では、休みを挟んで15分ずつ3回、合計45分学んだグループのほうが、休まずに60分学んだグループより長く記憶に残りました。 学んだ時間の合計は、休みを挟んだほうが15分短かったことになります。

長く座り続けるより、こまめに休みを挟むほうが、勉強した分が頭に残ります。

ただ、25分という長さそのものを確かめた研究は、どの本にも出てきません。 25分は、考案者のフランチェスコ・シリロが自分で試しながら選んだ長さです。 だからこのページでは、25分を最初に試す長さとして扱い、合わなければ後で変えます。

「25分だけ」と決めると、始めるのが軽くなる

「問題集を終わらせる」と考えると、終わりが見えないので手をつけるのが重くなります。 「25分だけやる」と決めれば、考えるのは目の前の1回だけです。 その25分は1つのことしかしないと決めておくので、途中で別のことに手を出す迷いも減ります。

途中で止めると、次の回にすぐ戻れる

区切りのよい所まで続けると、疲れてから休むことになり、休憩が長引いて机に戻りにくくなります。 反対に「もう少しやりたい」所で止めておくと、次の回を始めるのが楽になります。 タイマーが鳴ったら区切りが悪くても止めるのは、このためです。

やり方

このページが勧めるのは、25分は1つのことだけをして、鳴ったら止め、5分は体を動かして休む流れです。 4回目のあとだけは、5分休憩の代わりに20分休みます。

やることを25分ずつに分ける、スマホを別の部屋に置く、25分は1つのことだけをする、鳴ったら途中でも止める、までを4回くり返し、1〜3回目のあとは5分、4回目のあとは20分休む流れを示す図
1回の流れと、4回目のあとの長い休憩
  1. 今日やることを、25分で取り組める大きさに分けて書き出す。 「数学の問題集を進める」ではなく、「問題集の12〜15ページ」のように書きます。
  2. スマホを別の部屋に置く。 机の上やかばんの中では足りません。
  3. タイマーを25分にして、1つのことだけをする。 時間内に終わるかどうかは気にしません。
  4. タイマーが鳴ったら、途中でも手を止める。 あと数行で終わるときも止めて、続きは次の回に回します。
  5. 1〜3回目のあとは5分休む。 立って歩く、水を飲む、伸びをする、窓の外を見る、のように体を動かすか、ぼんやりします。この休憩ではスマホを見ません。
  6. 4回目のあとは、5分休憩の代わりに20分休む。 スマホを見てよいのは、この20分だけです。休憩にもタイマーをかけ、鳴ったら机に戻ります。

スマホを別の部屋に置くのは、近くにあるだけで頭の働きが落ちるからです。 安川康介『科学的根拠に基づく最高の勉強法』が紹介している研究では、スマホを別の部屋に置いた大学生が、机の上やかばんに入れた大学生より、記憶や注意を測るテストでよい成績でした。 使っていなくても、手の届く所にあるだけで差が出たことになります。

長い休憩を20分にするのは、30分を超えると机に戻りにくくなるので、余裕をみた長さです。

タイマーは、キッチンタイマーや勉強用のタイマーのように、スマホ以外のものを使います。 スマホをタイマーにすると、遠ざけたはずのスマホが手元に戻ってくるからです。 パソコンで勉強するなら、このサイトのポモドーロタイマーをブラウザで開いておけば、25分と5分を切り替えて数えられます。

始めたばかりのうちは、1日1回、25分を途中で止めずにやり切れれば十分です。 1日の終わりにやり切った回数を数えておくと、翌日に何回分の予定を立てればよいかが分かります。

うまくいかないとき

25分が合わないと感じたら、1週間続けてから長さを変える

最初の数日は、25分が長く感じるのが普通です。 続けるうちに、時計を見なくても残り時間の見当がつくようになります。 だから、長さを変えるのは1週間同じ長さで続けてからにします。

まず1週間25分で続け、毎回つらければ15分作業と5分休憩、ちょうどよければ25分作業と5分休憩のまま、毎回物足りなければ50分作業と10分休憩にするという分かれ道を示す図
1週間たってから、長さを3つから選ぶ

1週間たっても毎回つらいなら、作業を15分に縮め、休憩は5分のままにします。 調子が悪くて25分がもたない日も、その日だけ15分にして構いません。 毎回物足りないなら、作業を50分に延ばし、休憩を10分にします。

どの長さでも、4回目のあとは20分休みます。

長く続けたいときも、タイマーを無視して続けるのではなく、1回の長さのほうを延ばします。

眠れない、集中できないといった状態が長く続き、学校や仕事に支障が出ているときは、この方法で乗り切ろうとせず、学校の先生やスクールカウンセラー、医療機関、相談窓口に相談してください。

休憩から戻れないときは、5分の休憩でスマホを見ない

5分のつもりでSNSや動画を開くと、気づけば30分たっています。 体を動かす休憩なら、何分も続けたくなることがないので、時間どおりに切り上げられます。

5分の休憩に歩く・水を飲むと5分で机に戻れるが、SNSや動画を見ると気づけば30分たってしまうことを比べた図
5分の休憩は、体を動かす

スマホは休みになっているようで、頭は休まっていません。 堀田・木島の本が紹介している研究では、昼休みにスマホでネットやSNSを見た人は、散歩や会話をした人より、午後の疲れが大きくなりました。

集中が乗っているときに鳴っても、そこで止める

乗っている所で止めると、休憩中も頭のどこかで続きを考えていて、次の回に入りやすくなります。 毎回止めるのが惜しいと感じるなら、1回を50分に延ばします。

人に話しかけられるときは、回が終わってから自分から声をかける

タイマーが回っている間は、今は手が離せないと伝えて、回が終わってから自分から声をかけます。 家族や同僚には、タイマーが鳴るまでは話しかけないでほしいと先に頼んでおきます。

よくある失敗

  • タイマーが鳴っても「あと少し」と続ける。疲れてから休むことになり、休憩が長引きます。
  • 5分の休憩に、メールの返信や仕事の相談をする。頭を使うので、休みになりません。
  • 「レポートを書く」のような終わりの見えない作業を、分けずに1回に入れる。何回やっても終わらず、区切った手応えが残りません。
  • 初日から1日10回を目標にして、続かずにやめてしまう。
  • タイマーに使うために、スマホを机の上に置いたままにする。
  • 速く終わらせることを目標にして、タイマーに追い立てられる。最初の目標は、1回を途中で止めずにやり切ることだけです。

関連する方法と悩み